社会経済情報学講座 本文へジャンプ
研究紹介 イメージ

 社会経済情報学講座は、東北大学大学院情報科学研究科に所属し、「都市社会経済システム分析分野」(大学院専任分野)と「地域計量システム分析分野」から成ります。
 本講座は、経済学、地理学、交通学、人口学などの諸分野において空間的側面を重視して統合した地域科学のアプローチによって、主として「都市」や「地域」の生成、発展、変化に関して理論的、数量的及び実証的に研究・教育することを目的としています。
 研究及び教育について2つの分野は一体的に運営されています。ゼミは2つの分野のすべての教官と学生が一同に会し、進められます。

都市社会経済システム分析研究室

研究内容:

 

本研究室は、都市、地域、国際経済を対象とした空間経済の構造とそのダイナミックな変遷過程を解明し、都市・地域政策や貿易政策の提案および分析を行っている。そのとき、都市・地域経済学、国際経済学、ゲーム理論、OR、社会システム工学、土木計画学などの関連学問を複合的に動員した「地域科学」と呼ばれる学際的アプローチをとる。このアプローチを用いて,都市における人々の相互作用や人・財・サービス・知識の地域間・国際間の移動や集積形成を捉えて,分析を行っている。主なテーマは以下のとおりである。
1. 空間経済学の理論と応用。空間経済学は従来の都市・地域経済学及び国際経済学を深化させ、生産における規模の経済・独占競争・輸送費の観点から特定の土地において産業集積や都市形成が起こるかどうか、あるいは、なぜ起こるのかを解明する。基礎理論の構築と同時に、その手法と成果を地域間競争・提携などの具体的な問題の解決に応用する。
2. 様々な都市問題への対処。都市部における失業や住宅,環境問題を経済学の観点から分析・評価する。そのうえで,必要な都市・環境政策を提案し、その効果を分析する。
3. 都市計画および交通政策の経済学的考察。ゾーニングや容積率規制などの都市計画手法や交通投資や料金設定などの交通政策が都市内の空間構造と都市厚生に与える影響を都市経済モデルにより分析する。
4. 政策評価の費用便益手法の検討。伝統的費用便益分析理論の再考や新たな手法開発を行っている。特に,都市や交通政策を評価対象として,空間経済の構造をベースにした費用便益分析の検討を行っている。
5. コンフリクト解消。交渉、仲裁を研究し、様々なコンフリクトを効率よく解消す
る。限られた資源を公平に配分する方法も考える。



地域計量システム分析研究室

研究内容

 たとえば税率の変更や公共事業の実施が、国民経済にどのような影響を与えるかを分析するためにマクロ計量モデルが用いられる。その多くは一国経済のような単一の市場を対象としており、時系列的な文脈で将来予測に用いられる。
 しかし、現実の一国経済にはいくつもの異質な地域が含まれ、個々の政策の影響も一様ではない。従来の計量経済学は空間データ、或いは時間と空間の双方を含むプーリングデータの推定と検定に固有の問題を重視して来なかったように思える。
 本研究室は,都市社会経済システム分析研究室とも連携して、空間を含む計量システム分析に関する研究を進めることを目的としている


研究テーマ

(1) 空間を含むデータの扱いに関する計量経済学的研究:空間自己相関モデルにおける近接行列の表現、時空間自己相関モデルに関する理論開発、さらに地域計量モデルでよく用いられるプーリングデータにおける自己相関の影響を研究する。

(2) 地価の時空間変動分析:東京圏を対象とした地価データベースを用いて、地価変動が単一中心型の拡散モデルで説明可能であることを示す。同じデータに時空間自己相関モデルを適用し、技術的問題を明らかにすると共に拡散モデルの経済理論的説明を試みる。

(3) 空間応用一般均衡モデル:多地域計量モデルの適用は地域経済統計の整備が前提となる。応用一般均衡モデルは、統計的な推定式を経済理論から得られる均衡条件に置き換えることでデータ節減を図り、開発途上経済の分析を可能にする。この考え方を多地域モデルに導入することで、途上国を対象とする多地域分析の手法を確立する。